2011年9月アーカイブ

水虫は皮膚糸状菌症というカビの感染症

水虫は、正式には皮膚糸状菌症とよばれることがあります。しかし、この皮膚糸状菌症とは、熱帯地方にみられる渦状癖や、一部の地方だけにみられる黄癖という、白癬菌に近縁の菌によっておこる病気もふくめて、一括してさす病名です。

つまり、ケラチンを分解・利用する能力をもち、特異的にヒトや動物の皮膚の最外層(角層)に寄生しているカビをまとめて皮膚糸状菌とよび、この種のカビによる病気を皮膚糸状菌症とよぶわけです。しかし、同じ病気にいくつもの呼びかたがあるとまぎらわしいので、水虫菌や白癬菌とよぶことにしています。

寄生の過程でカビは複雑に進化しました。

カビがせっかくヒトの皮膚にとりついて一時的に増えることができたとしても、このカビはヒトにとっては異物(つまり侵入者)です。そこで、ヒトは免疫の能力によってカビを排除しようとします。水虫で足の皮がむけるのはこのためです。

同じような異物排除の現象は、接触皮膚炎(かぶれ)を例にとるとよくわかります。

水虫・白癬の画像写真

簡単にいえば、ヒトの皮膚になにか害を与えるような物質がつくと、その物質による皮膚の障害が引き金になって、皮膚にいわゆる炎症がおこります。

炎症の結果、障害されて壊れた皮膚の組織とともにその有害な物質は捨てられ、ついで修復のシステムがはたらいてもとの正常な皮膚にもどろうとします。

相手がカビのような微生物でも、同じことがおこります。ただ、カビの場合は、単純な有害物質と根本的にちがう部分があります。それは、カビが生きていて進化するということです。